出汁(だし)の種類は?
こんぶとかつお節でとる出汁(だし)は、日本料理には欠かせないものです。一番だし、二番だし、煮干しだし、鶏がらだし、精進だし等が主な出汁(だし)の種類。
一番だし
こんぶとかつお節でとるだしで、一番だしは、上品でくせがなく、煮炊き物全般に使われるが、中でも「すまし汁」のだしは、この一番だしでなくてはならない。
だしの取り方で味が変わってしまうので、細心の注意が必要とされる。臭みや濁りを出さないために、こしたあとのかつお節を絞ってはいけない。関西だしと関東だしの違いは、水の違いから生まれる。同じようにだしをとっても一般には関東の水は硬度が関西の水より高いのでかつお節のきいただしとなり、硬度の低い関西の水ではこんぶの味がよく出たものとなると考えられる。
※硬度により違う
※関東の水と関西の水では、水の硬度が異なる。硬度が高い水はカルシウムやマグネシウムイオンをを多く含む。一般に関東の水のほうが関西の水よりも硬度が高い。だしの成分となるイノシン酸は硬度が高い水に溶けだしやすく、グルタミン酸は硬度が低い水に溶けだしやすい。
二番だし
一番だしをとったあとのこんぶとかつお節に、一番だしのときと同じ量の水を入れ、煮出してから、追いがつお(後から足すかつお節のこと)を一番だしのときの1/4~1/5加えてとるだしのことを言う。
加える水の量を半分にし、追いがつおを加えないケースもある。一番だしと違い、二番だしはかつお節を絞ってもよい。味や香りは一番だしに劣るが、濃い味付けをする煮物やみそ汁には向いている。
煮干しだし
やや臭みはあるが、うま味のある濃厚なだし。煮干しだしをとる場合は、一般に「※水だし」という方法がとられる。主にみそ汁や煮込み物などに使われる。
※水だしとは、水の中に材料を長時間つけてだしをとる方法のことをいう。
鶏がらだし
鶏がらだしは、よく「掃除をした鶏(にわとり)の骨」を煮出して作るだしである。
- 澄んだだしを作るには、弱火でゆっくり煮出す。これは、汁ものや煮炊きに適する。
- 白いだしを作るには、鶏がらをつぶしながら煮出す。これは、水炊きに適する。
- 茶色いだしを作るには、鶏がらを焼いてから煮出す。これは煮炊きや炊き込みご飯のだしに適する。
精進だし
精進だしとは、「植物性のもの」でとるだしのことを指す。
精進料理に使われることから「精進だし」と言われている。原材料としては「こんぶ」「干ししいたけ」「かんぴょう」「大豆」などを使用するが、複数を組み合わせて使うことが多い。乾物を使用する場合は、水にしばらくひたしておいてから煮出す。