フォン(fond 仏)とは?
料理の決め手は「ソース(sauce 仏)」!
西洋料理においては決め手はソースとよく言われるが、この「ソース」という言葉はラテン語のサル(sal=塩)からきている。「塩味をつけたもの」というのがもともとの意味。仏語と英語ではソース、独語ではソーセ、伊語などではサルサという。
ソースの歴史で古代ローマ時代には、内臓をつけたままの魚、香草、塩などを容器に入れて発酵させて作った「ガルム」という魚醤(ぎょしょう)肉料理や魚介料理に使っていた。ソースはその味で料理に風味や旨味をプラスし、さらに色彩で料理に色の変化と調和を与えるもの。そのためソースは、料理を引き立たせ、「料理の価値を左右する」重大な要因となる。
しかし近年は、健康志向の意識の高まりから、フランス料理のソースもイタリア料理と同じく、軽くて口当たりがよいものが好まれる。
フォン(fond)はソースのベース!
フォン(fond 仏)
フォンを分けると、白色系のフォン・ブラン(fond blanc)と、褐色系のフォン・ブラン(fond brun)<カタカナで表記するとどちらもフォン・ブランではあるがblancとbrunで違う>にまず分けられる。さらにそこから使う材料により、各種のフォンが作られる。
ソースの味や色はフォンに左右されるので、味が良くて、濁りのない澄んだフォンがよいとされる。
※フュメ(fumet)=魚のアラなどのこと。
※ジビエ(gibier)=狩猟によって、食材として捕獲された野生の鳥獣。
フォン・ブラン(fond blanc 仏)
フォン・ブラン(fond brun 仏)
※ヨーロッパでは子牛肉が珍重されていて需要も多いので、フォン・ブラン(fond brun)に子牛の肉を使っているが、日本では子牛の肉の需要が少ないために子牛の骨も輸入物が多く、手に入りにくい。だから、日本では成長した牛の骨や鶏がらを使う場合もある。
グラス(glace 仏)とジュ(jus 仏)
逆に使うようになったのがジュで、フランス料理では肉の焼き汁などのことを言う。料理に利用する場合は、素材を焼いたときに出るジュを水やワイン、塩こしょうなどを加えソースにしたりする。すなわち、フォンはだしなのでそのままソースにはならないが、ジュはそのまま素材の味を生かした軽いソースになる。