砂糖の調理性
膨張とは?
特にお菓子を作る時に欠かせないのが膨らむ力を持つ「膨張剤」です。
*オーブンの中をのぞくと驚くほどに生地が膨らんでいるのを見るとワクワクしますね。
この「膨張」の現象の大きな「原動力」となっているいくつかの種類を紹介しましょう。
気泡の熱膨張
気体の体積は、温度が上昇するごとに絶対温度に比例して膨張する性質。
例えば、20℃の気体を180℃に加熱すると体積は1.5倍に増加すします。
*絶対温度→原子・分子の熱運動がほとんどなくなる状態を言います。
メレンゲなどを作り卵白でできたタンパク質の球体膜の中に小さな気泡(気体)を多数混ぜ込んで上で180℃に熱したオーブンに入れると一つ一つの気泡(気体)が1.5倍に膨張する性質を利用してメレンゲがふんわりと膨らむのです。
水分の気化(水蒸気の発生)
水分が気化して水蒸気に変わるとき、体積は一気に膨張して1700倍にもなります。
生地の中に含まれている気泡を核として水蒸気の力で生地を大きく膨らませる。
*折り込みパイ生地の場合は、バター層の中に含まれる水滴が一気に気化し何枚もに重なった小麦粉生地が1枚1枚持ち上がり膨らむ。
膨張剤によるガス発生
膨張剤が、熱や化学反応によって分解する際に発生する「炭酸ガス」や「アンモニウムガス」を利用して素材を膨らませる。
*代表的なもの*
- 重曹→炭酸水素ナトリウム
- ベーキングパウダー → 重曹に酒石酸、クエン酸、リン酸化カルシウムなどの助剤を加えたもの
- イーストパウダー → 塩化アンモニウム、焼きミョウバン、炭酸水素アンモニウム、コーンスターチなどを加えたもの
微生物によるガスの発生
微生物の一種である「酵母」が生地の中でブドウ糖を分解する時、エネルギーやアルコールと共に「炭酸ガス」を生産し、これによって生地を大きく膨らませる。
この時 様々な香気成分や旨味成分も生成される。
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